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■全期間固定金利型住宅ローン「フラット35」の金利の決まり方

「フラット35」の適用金利のルールを理解しよう

全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」は、適用金利のルールが決まっています。そのため、このルールを知っておくと毎月発表される適用金利の動向を、少し早く予想することができます。

「フラット35」の適用金利を理解するためには、まずはしくみを理解しておきましょう。

「フラット35」の種類

「フラット35」は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して実現した、長期固定金利の住宅ローンです。

フラット35には「保証型」と「買取型」の2種類があります。「保証型」は、金融機関が自ら住宅ローン債権を証券化し、投資家に販売します。債務者が返済不能となった場合には、機構が金融機関に保険金を支払い、投資家への期日どおりの元金と利息の支払いを保証します。

それに対して、「買取型」は機構が金融機関から住宅ローン債権を買い取り、証券化して投資家に販売するというしくみです。現在販売されている住宅金融支援機構債券(MBS)は、債券の信用度を表す格付けがAAAと、もっとも高くなっています。

住宅金融支援機構債券(MBS=Mortgage Backed Security, モーゲージ証券)とは、住宅ローンの債権を裏付け(担保)として発行される比較的安全性の高い証券で、主に金融機関や年金基金などの機関投資家が運用の目的で購入します。

現在フラット35で取り扱われているものの多くは「買取型」となっています。

「フラット35(買取型)」のしくみ(スキーム)

主に短期の資金で資金調達を行う銀行などの民間金融機関は、長期固定金利の住宅ローンを取り扱うことが難しいとされています。そこで、住宅金融支援機構は、「フラット35」を取扱っている数多くの民間金融機関から住宅ローン(フラット35)を買取り、それを担保とする債券を発行することで長期の資金調達を行い、民間金融機関が長期固定金利の住宅ローンを提供するしくみを支えています。

「証券化ローン(フラット35)の仕組み」

具体的なしくみと手順

上図のように具体的なしくみと手順については、次のようになっています。

① あらかじめ全期間にわたって金利が定められた住宅ローンを実行する。
② 金融機関は、住宅ローンを実行した後、当該住宅ローン債権を機構に売却する。なお、機構が金融機関から買い受けた住宅ローン債権に係る管理・回収業務については、当該金融機関に手数料を支払い、委託する。
③ 機構は、②により金融機関から買い受けた住宅ローン債権を、信託銀行等に担保目的で信託する。
④ 機構は、③により信託した住宅ローン債権を担保として、住宅金融支援機構債券(MBS)を発行する。
⑤ 機構は、MBSの発行代金を投資家より受け取る。
⑥ 機構は、MBSの発行代金により、金融機関に対し、住宅ローン債権の買取代金を払う。
⑦ 金融機関は、当該譲渡債権に係る管理・回収業務の受託者(サービサー)として顧客(債務者)から元利金の返済を受ける。
⑧ 金融機関は顧客(債務者)からの返済金を機構へ引き渡す。
⑨ 機構は、顧客(債務者)からの返済金を元に、発行したMBSについて、投資家に対し元利払いを行う。

「フラット35」の金利要因

毎月決められる「フラット35」の金利構成は、次のA〜Cの3つの要因を合計したものです。

「証券化ローン(フラット35)の金利構成要因」

(A)投資家に支払う利息 : 機構が毎月発行する「住宅金融機構債券」の金利(前月の長期国債利回りに一定の利率(ローンチスプレットという)を上乗せして決める)
(B)機構が事業運営するための費用 : 機構がMBSを発行するための費用相当額や、投資家に対してローン延滞などを保証する費用相当額
(C)民間金融機関の受取額相当(サービシングフィー): ローン債権の管理や回収にかかる費用で各金融期間が独自に決める

したがって、前月の長期国債利回りの動向(つまり(A)の部分)を確認すれば、翌月の「フラット35」の金利動向を予想することが可能となるのです。

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