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生活の三大資金

住宅資金

■返済中の住宅ローン。交渉で金利が下がる場合も

銀行など金融機関で住宅ローンを返済中の人が、その金融機関との交渉で金利を引き下げてもらえることについては意外と知られていません。そのため、金利を下げたいときには、他の金融機関へ借り換えをするのが一般的です。しかし、借り換えには次の2つを解決しなければなりません。

一つ目は、自宅の時価がローン残高より少ない「担保割れ」です。借り換えるにあたって、金融機関は自宅を担保評価します。借り換えるローン金額は担保評価以内であることが条件になります。たとえば、2年前に4000万円で購入した自宅のローンが、現在3700万円残っているとします。自宅の時価を査定したところ3400万円だとすると、借り換えできる額は時価以内なので、3400万円になります。したがって借り換えるためには担保割れの300万円を、現在借りているローンの清算に手元資金から持ち出ししなければなりません。手元資金がなければ借り換えることはできません。

二つ目は「借り換え費用」の負担です。借り換えるには、新たなローンの抵当権設定費用やローン保証料などが発生します。たとえば、2000万円を25年返済、金利2.5%で借り換える場合の借り換え費用は、およそ50万円を負担しなければなりません。したがって、この借り換え費用を負担してでも借り換えが有利かどうかを試算して確認することが大切です。

借りているローンの金利引き下げには費用がほとんどかからない

これに対し、現在借りているローンの金利引き下げ交渉には、手間が余りかからず、費用もほとんどかかりません。

会社員のAさんは10年前に都市銀行で3000万円の住宅ローンを30年返済で借りました。今年1月時点の金利は変動金利型で年2.475%です。銀行に電話をして「最大限金利を下げてほしい」と要請したところ、その後郵便での書類のやり取りだけで2週間後、1.475%まで下がると決まりました。その結果、毎月の返済額は約1万1000円も減りました。Aさんは、「まさか電話交渉だけで金利が1%も下がるなんて」と驚いています。

自営業者のBさんの借り入れ先は地元の信用金庫。金利は10年固定で4.1%、まだ残高が2500万円、返済期間も22年も残っています。他のネット銀行に借り換えを相談したところ、3%の金利で借り換えに応じてくれるということでした。しかし、借り換え費用が70万円もかかるので、思い切って現在借りている信用金庫に「金利を下げてくれなければ他の銀行に借り換える」と相談したところ、「借り換えより低い2.9%にするのでこのまま借りて欲しい」と回答がありました。経費も手数料と収入印紙代で5450円で、毎月の返済額は約1万6000円も安くなりました。「こんなことならもっと早く交渉すればよかった」と満足しています。

本来、金利を下げる条件変更は銀行や信用金庫などはめったにしません。それなのに住宅ローンの金利引き下げが広がった背景には、激烈な住宅ローン獲得競争があります。住宅ローンを借りている人は一度試みてはどうでしょうか。  また、交渉で金利引き下げができない場合には、他の金融機関での借り換えを検討しましょう。住宅ローンの取り組みに積極的な金融機関は次のサイトで確認できます。
こちらのサイトから

借り換え費用の目安
(2000万円を返済期間25年、金利2.5%で借り換える場合の借り換え費用)

費目 金額
収入印紙代 20,000円
登記費用 157,060円
保証料 296,680円
ローン手数料 31,500円
解約手数料 3,150円
合計 508,390円

注:借り換える金融機関によって異なる

執筆者:紀平正幸